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さくら [ひとり言]



庭のさくらが咲いた。

母に聞けば、樹齢は100年を軽く越える。

おばばが植えたんだよ…母が言う。

おばばとは、私の祖母である。

おばばは、体が弱かった。

私の中の、おばばの記憶。


池のほとりの桜が、水に映る。

北国のさくらは、エゾヤマザクラ。

ソメイヨシノのような華やかさはない。

ただ、儚げに咲く。


ここ数年、私は、100本近くの桜を植えた。


自分に、子供はいない。


おばばが植えた桜…などと思い出してくれる人はいない。


それでも私は、ただ、木が好きだから植える。

木のあるところが、好きだから植える。

誰かが、喜んでくれると思うから植える。

それが、自分の子供でなくてもいいのである。



今から、100年たったら…どんな花を付けてくれるだろう。


人の心を、和ませるような花を咲かせてくれるだろうか?


「明日この世が、滅びようとも…今日、私は…りんごの木を植える。」


神学者の言葉だったろうか?

大好きな言葉である。


あの津波にも負けなかった桜が、被災地で花をつける。


ただ花をつけるだけでも…。

生きる勇気が湧いてきて…前を向けると、人が言う。


木には、そんな不思議な力がある。



桜、サクラ属・バラ科。


さくらの魅力は、儚さにある。

美しさは、その黒い幹にある。



追伸。

いきものがかり・SAKURA。
youtubeの動画です、とても綺麗です。

http://www.youtube.com/watch?v=1cCeMYPHesk
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