虹がかかる。 [ひとり言]
久しぶりに、晴天の朝。
もうすぐ、6月だと言うのに。
気温はマイナス2℃まで下がった。
それでも、日が高くなるにつれ、
気温も上がり、さわやかな天気になった。
天気予報は、午後から一時雨。
こんな晴天に雨?
少々、疑わしいが。
だけど本当に、午後から雲が多くなってきた。
そして、4時頃から雨が降りだした。
天気予報は、見事に的中である。
一時的に、激しく降った雨だが。
すぐに上がり、夕日が差してきた。
ふと見上げると、南の方向に、虹が出でいる。
二重になった虹は、外側は薄く…、
内側は、濃くはっきりとしている。
久々に綺麗な虹を見た。
林を切ったばかりの川向こうに、虹がかかる。
かつてあった巨木は、もうそこにはないが…。
虹が見えるだけでも、救いである。
なんの潤いもない荒涼とした景色が、
少しだけ、華やいだ気にもなる。
向いの林が、河川改修のために伐採され始めたのは、
おととしの6月25日。
巨木は、次々に切り倒された。
伐採人の吹く笛の合図で。
メキメキと悲鳴を上げながら、倒れて行く。
あれから、もうすぐ2年。
少しずつ、木々の思い出が薄らいでいく。
それが、悲しい。
それにしても、何度見たって、納得できる景色ではない。
歴史を刻んだ、美しい巨木を倒して…。
新しい河川公園なんて…本当に必要なのだろうか?
いつの世でも、人は取り返しのつかないことを…、
繰り返している気がしてならない。
いつもの様にツバメが飛び交い。
雨が降り、風は流れるというのに。
あの木々だけが、ここにない。
あの頃のまま、林が、今ここにあったなら…。
虹は、数十倍も、美しいだろうに。
きっと。
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